12/27/2008

ラットな研究者へのクリスマスプレゼント!?

げっ歯類の研究に関わっていない人には、ラットもマウスも似たようなものかもしれない。
けど、実際に関わっている人からすると、それぞれのメリット・デメリットがある。

僕は電気生理実験をしては、ニューロン活動を測っている。
マウスで試みたこともあるけど、マウスはとにかく小さい。できるだけたくさんニューロン活動を計測したい場合、非常に難儀。

これに加え、何人かの研究者からの証言によると、
マウスはラットよりアホ
らしい。。。

確かに、落ち着きがなくて思慮に欠ける印象は受ける。

もちろん、
同じ観点で比べると
という条件付なのだろうけども、行動を通して脳機能を知りたいのに、ホントにマウスが「アホ」だとすると、研究の障壁になる。

僕が知る限り、げっ歯類の心理学研究は、マウスよりラットで知識が蓄積されてきたから、行動という点においてはラットに軍配が上がりそうである。

と、電気生理学や心理学というアプローチにおいては、ラットがベター。
(薬理学という意味でも歴史があるそうだけど、よくわからない。)

そんな「ラットな研究者」にとって、クリスマス・プレゼントになりそうな論文がCellに掲載されている。

念願のES細胞が取れ、まだ克服すべき技術的な壁がいくつかあるようだけども、キメラになる確率も高い、らしい。

特定の細胞だけで特定の時期に遺伝子を操作する、なんてことがラットでもできる日も近いかも。

参考文献
Cell. 2008 Dec 26;135(7):1299-1310.
Germline Competent Embryonic Stem Cells Derived from Rat Blastocysts.
Li P, Tong C, Mehrian-Shai R, Jia L, Wu N, Yan Y, Maxson RE, Schulze EN, Song H, Hsieh CL, Pera MF, Ying QL.

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