9/19/2008

第一期 青脳計画

Blue Brain Project

IBMのスパコンを使って、大脳皮質のコラム構造(cortical column)をできるだけ詳細・忠実に再現して、何が起こるか、何を予測できるか調べる壮大な計画、とでも言ったら良いだろうか。

その進捗をMarkramトークした模様。
複数のブログ経由で知った(ブログ)。
トーク映像は編集も悪くなくストレスレスで、ほぼ会場で聴くような感じで見れます。)


あるブログに39分あたりから面白いとあったので、30分あたりから見始めた。

どういうストラテジーでバーチャルコラムを作っているか話し、スライス実験でわかったことが実際に見れるといった検算的なデータを少し紹介。その後に、ムービーを交えたシミュレーション結果を話している。

ガンマオシレーションが出たけど、意識はないやろ?とか、仮説なしで研究してるからNIHグラントはもらえん、といった毒ともとれる発言もあり。

ムービーが重すぎたのか、途中、マックがトラぶったりもする。。。

質疑応答中、Markramの将来ビジョン、理論家と実験家のウケの違いなどのコメントもある。

なかなか面白い。

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個人的感想:

ムービーの第一印象、自分のイメージと少し(かなり)違った。。。
当たり前か。。。(良い意味でも悪い意味でも。。。)

いろんなタイプのウェーブも出ていて、例えウソでも面白い。
いろんな処理ができそう。
けど、これを実験的に示そうと思ったとして、今できるだろうか。。。

ちなみに、今後、グリアと血管も組み込むそうで、究極のボトムアップ的な計算論的アプローチになるようだ。とりあえず、こういうのはどんどん進めて欲しい。

特に神経コードの深い理解に役立つ気がする。
ノイズ」とは何ぞや?
ニューロンAが、X回、あるいはいついつスパイクを出すのは、コラムレベルでどんなことが起こったとき?
何を、どこから、どのように、実験的に測るのが、全体を知るのに良さそう?
外部刺激は自発活動とどう絡み合う
といったことに見通しを立ててくれるとうれしい。

そのうち、LHCみたいに莫大なお金を投じて、世界(宇宙?)一の巨大研究施設を作って、全脳を完璧に再現してやれ、みたいな話に発展するのだろうか。。。

ブラックホールができる!とか言う人が出てくるくらいだから、ターミネーターが人類を滅ぼす!とか言ってマスコミを騒がす人も現れるだろう。。。

それはそれで(ターミネーター出現ではなく、LHC的施設のこと)エキサイティングだけど、一研究者としては何となく淋しい気もする。。。そうでもしないと脳はやっぱりわからんのか。。。という感じがしそうだし。

とにかく、第一期の集大成論文はまだ出ていないと理解しているから、その論文と、第二期の成果に注目。

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その他の関連情報など

Nat Rev Neurosci. 2006 Feb;7(2):153-60.
The blue brain project.
Markram H.
Blue Brain Projectの概要についてMarkramが神経科学コミュニティーに説明している。

ちなみに、これに似たプロジェクトはいくつか走っているようで、そのうち一つが、以前紹介したプロジェクト

こういう分野をBrainomicsとでも呼んでおこう。

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