11/01/2008

意識の神経学

最近、The Neurology of Consciousnessという本が届いて、各章の要旨だけ一通り読んでみたので、ここで一度まとめてみます。

neurology(「神経学」という訳が見つかる)、wikipediaによると「神経系の疾患を扱う医学分野」とある。psychiatryなど他の分野との関係もwikipediaで説明(議論)されている。

この本はneurologyというだけあって、医学書的なニュアンスも強い。

昏睡、植物状態をはじめとしたdisorders of consciousness(「意識障害」と訳すことにします)の最新研究がしっかりまとめられている点が特徴的。いわゆるlevel of consciousness(意識レベル)の研究に多くのページが割かれている。

このエントリーでは、まずこの教科書の編集者を紹介した後、全体構成と各章のアウトラインをまとめます。

(またまた超長いです。。。)

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編集者について

この教科書の編集者は、Steven LaureysGiulio Tononi

Laureysは、意識障害患者の脳イメージング研究で多くの業績を残している。この人が関わった最近の有名な研究としては、外からの呼びかけに対して、植物状態の患者さんの脳がしっかり応答した、という。他にも意識障害に関する論文をたくさん出している。

Tononiも一言でまとめるのは難しいけど、実験科学という点では、睡眠の問題を脳活動から遺伝子レベルまで幅広く扱っている第一人者。

理論的な研究に関しては、情報理論にインスパイアされたinformation integration theory of consciousness(integrated information theory of consciousnessとも呼ぶ)という説を展開している。(ちょうどPooneilさんのところでもエントリーが出ています。仮説の概要はわるねこさんのエントリーに詳しい。さらに詳しいことはTononi自身が書いた論文、あるいはこの教科書の最終章でコンセプト的な説明はあります。)

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本の大まかな構成

Preface
Prologue
Section I: Bacis
Section II: Waking, Sleep and Anaesthesia
Section III: Coma and Related Conditions
Section IV: Seizures, Splits, Neglects and Assorted Disorders

この本は4つのセクションから構成されている。

第一節は、意識研究のための現時点での基礎知識、基本概念がトピックとして扱われている。例えば、Singerの神経同期の話、土谷さんとKochによる注意と意識の違いの問題なども扱われている。

第二節は、タイトルの通り、覚醒、睡眠、麻酔という意識レベルの問題、そして夢遊病(sleepwalking)の問題も扱われている。

第三節では、昏睡や植物状態といった様々な意識障害から、BCI(brain-compute interface)による治療の試み、そしてニューロエシックスと意識障害治療との関係についても議論されている。

第四節では、典型的な意識障害ではないけど、neurologyが扱う様々な疾患と意識との関係が中心となっている。その「様々な疾患」とは、例えば、てんかん、分離脳、転換性障害、健忘症、失語症から幽体離脱、臨死体験まで幅広い。

実はこの第四節の最終章に、TononiとLaureysが総括的な章を書いて多くの情報が詰め込まれている(後述)。

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続いて各章について簡単に。

Preface
LaureysとTononiによるこの序文は、事実の重要性を謳ったポアンカレのクオートから始まる。

ニュートンが初めて提唱したとされる客観性と再現性を重んじる科学の方法論の話。ガリレオの計測方法のブレークスルーから、ダーウィンによって明らかにされた進化、それによって生まれた脳の話へ。

そして、ペンフィールドの言った、neurologyとは人類自身の研究だ、というクオートに続いてこの本の主旨が簡単に述べられている。

その主旨とは、意識や壊れた意識に関する神経学的な事実を提供すること。

哲学的な議論とは一線を画し、近年の技術的な進展にともなって可能になった意識研究の科学的な側面を扱う強い意思が述べられている。

最後に、客観性を重んじる方法論では、主観性の問題は永遠に解けないと哲学者は言うかもしれないが、我々は実用主義(pragmatism)的なアプローチをより好み、科学と技術の発展が、究極的には意識の神経的な実体の理解へと導くだろう、と謳っている。

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Prologue

Allan Hobsonがプロローグを寄稿している。堅苦しい教科書というよりは、サイエンスライティング的なプロローグである。

行動心理学の暗黒時代ではブラックボックスであった脳を知ることで、現代の意識研究が花開きつつある、ということを謳っているようだ。

(軽く流します。。。)

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*ここからは基本的にはアブストラクトを読んだだけの情報に基づきます。
(一部の章は部分的にテキストを読みましたが、自分の中での情報は不完全です)

Section I: Basics
この節は6章構成。

1. Consciousness: An Overview of the Phenomenon and of Its Possible Neural Basis
Antonio Damasio and Kasper Meyer
この章では、まず意識の定義について議論している。

三人称と一人称的観点から意識の特徴を説明し、意識の定義を設定している。そして、「今」と「ここ」に関する自身の感覚としてのcore consciousnessと、過去と未来予想に関する自身に関する複雑な感覚としてのextended consciousnessというコンセプトを紹介している。

続いて、その二つの意識を支える神経基盤を、神経解剖学、神経生理学的観点から考察している。さらに、意識障害を含めた神経学的観点からの考察も展開し、cortical midline structures(正中線付近の皮質領域で、特にposteromidial corticesを指している)が、coreとextendedの意識生成に重要ではないかと結論付けているようだ。

2. The Neurological Examination of Consciousness
Hal Blumenfeld
脳死、昏睡、植物状態、最小意識状態といった意識障害について、文字通りneurology的な知識が概説されている。この教科書を読み進めるための予備知識としては必読か。

3. Functional Neuroimaging
Steven Laureys, Melanie Boly and Giulio Tononi
PET、fMRIからいわゆるマルチモーダルイメージングまで、非侵襲的な脳活動計測の方法論についてまとめられている。

4. Consciousness and Neuronal Synchronization
Wolf Singer
脳のいろんな場所で同時多発的に行われている分散的な情報表現を、統合しているのではないかとされる神経同期。そして、その仮説を唱えたSinger。

この章では、意識の神経相関(NCC)を研究するためのモチベーションから、その仮説へ至った経緯、そして、仮説の実験的証拠をまとめているようだ。

5. Neural Correlates of Visual Consciousess
Geraint Rees
視覚刺激が意識にのぼる時とそうでない時の脳活動を比較しながら、視覚的な気づき(visual awareness)の必要十分条件について議論している。ヒトの脳機能イメージングの研究が中心。

6. The Relationship Between Consciousness and Attention
Naotsugu Tsuchiya and Christof Koch
トップダウンの選択的注意と意識は違う。それをサポートする心理物理、脳活動計測の研究がまとめられている。参考情報としてのBoxなども充実していて、今後の課題などもしっかりまとめられている。このテーマの研究戦略、コンセプト、方向性を理解するのに非常に良さそう。

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Section II: Waking, Sleep and Anaesthesia

7. Intrinsic Brain Activity and Consciousness
Marcus E. Raichle and Abraham Z. Snyder
脳機能の見方として2つの視点がある:第一に外因性の脳活動、第二に内因性の脳活動。
エネルギー消費量で見れば、後者の方がはるかに大きいにも関わらず、これまでの研究はあまりまともに取り組んでこなかった。

その内因性の脳活動をfMRIで理解しようとしているRaichleたちが、この分野のバックグランドから比較的最近の知見、そして将来の課題までを簡潔にまとめている。

ちなみに、このテーマに関しては、FoxとRaichleが去年出した総説も非常に包括的な内容でおススメ。

8. Sleep and Dreaming
Giulio Tononi
睡眠ステージ、睡眠サイクルの説明から、各ステージを制御する神経核、そして各ステージ中の自発的神経活動と代謝、感覚応答性についてまとめられている。

さらに、睡眠と意識の関係の議論に入り、夢についてもページが割かれている。そして、白昼夢の話からナルコレプシーといった睡眠関連の疾患まで扱っており、とにかく睡眠に関して、包括的な内容となっているようだ。

9. Sleepwaking (Somnambulism): Dissociation Between ‘Body Sleep’ and ‘Mind Sleep’
Claudio L. Bassetti
夢遊病に関する医学的知見がまとめられている。

10. General Anaesthesia and Consciousness
Michael T. Alkire
麻酔が意識にどう影響を及ぼすか?現時点での理解を、分子から神経細胞集団、神経回路まで幅広くまとめているようだ。

このテーマに関しては、Nicholas P Franksが書いた総説も包括的でおススメ。

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Section III: Coma and Related Conditions
*ここは内容的にヘヴィーです。。。
*私は医者ではない全くの素人なので、読み流してください

11. Coma
G. Bryan Young
昏睡(coma)は覚醒できない無意識状態で、ascending reticular activating system(視床や大脳皮質を「活性化」させる脳幹の神経核群で、覚醒状態の維持に不可欠な場所)の機能障害によって生じる。

この章では、その昏睡の神経基盤、他の意識障害との違い、医療現場での基礎知識、さらには倫理的な問題について簡潔に触れられている。

12. Brain Death
James L. Bernat
脳死は、臨床的な意味での脳機能が不可逆的に停止した状態で、人の死を決める。そんな脳死と死をテーマに、脳死・死の診断基準・診断現場から、宗教・文化的違い、そして臓器提供までの内容を扱っている。

13. The Assessment of Consicous Awareness in the Vegetative State
Adrian M. Owen, Nicholas D. Schiff and Steven Laureys
最近、脳機能イメージングによって見方が大きく変わりつつある植物状態。その研究の最前線にいる著者たちが、自らの研究を含め、技術的な問題点なども指摘しながら今後の方向性を探っている。

14. The Minimally Conscious State: Clinical Features, Pathophysiology and Therapeutic Implications
Joseph T. Giacino and Nicholas D. Schiff
最小意識状態は、自身あるいは環境に対する気づきを行動的に示す点で植物状態とは区別される。他にも植物状態と異なる特徴が多数報告されているようだ。

この章では、その最小意識状態の特徴を説明し、正確な診断・予後のための方法論について議論している。そして後半は、最小意識状態のメカニズムについて、脳イメージングの研究を中心にまとめている。

15. Consicousness in the Locked-in Syndrome
Olivia Gosseries, Marie-Aurelie Bruno, Audrey Vanhaudenhuye, Steven Laureys and Caroline Schnakers
行動的な出力に選択的な障害を負いつつも、基本的な認知機能は保たれているLocked-inシンドローム。そのシンドロームの特徴、診断、予後から、この意識障害になった患者さんのQOLまで議論している。

16. Consicousness and Dementia: How the Brain Loses Its Self
Pietro Pietrini, Eric Salmon and Paolo Nicheli
アルツハイマー病に代表される痴呆。その痴呆の多様性について記述した後、幻覚や妄想と痴呆との関係、そして痴呆で「心」が失われていくことと脳が失われていくこととの関係について考察している。

17. Brain-Computer Interfaces for Communication in Paralysed Patients and Implications for Disorders of Consicousness
Andrea Kubler
主に脳波計測を利用したBrain-Computer Interfaces(BCI)の医療最前線についてまとめられている。対象の患者さんは、ALSから意識障害であるLocked-inシンドロームまで幅が広い。

18. Neuroethics and Disorders of Consciousness: A Pragmatic Approach to Neuropalliative Care
Joseph J. Fins
意識障害の臨床現場で発生する多くの倫理的問題。John Deweyの功績であるところが強いclinical pragmatismという考え方を適応しながら、その倫理的問題に取り組んでいこうとしているようだ。(この分野は完全にノー知識なので、これくらいでご容赦を。。。ツッコミサポートは大歓迎です)

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Section IV: Seizures, Splits, Neglects and Assorted Disorders

19. Epilepsy and Consciousness
Hal Blumenfeld
意識は神経回路の同期的な活動に依存している。けども、その同期が行き過ぎるとてんかん発作になり、意識を失うことにもつながる。

この章では、意識の喪失をともなうabsence seizures、generalized tonic-clonic seizures、temporal lobe complex partial seizuresという3つのてんかん発作について注目している。そして、脳のどこの活動が異常になることで意識が失われるのか、conscious systemというコンセプトを導入しながら考察している。

20. The Left Hemisphere Does Not Miss the Right Hemisphere
Michael S. Gazzaniga and Michael B. Miller
分離脳患者でより顕著になる右脳と左脳の機能分化。Gazzanigaたちの数十年の研究からわかってきた、脳はシステムとしてどう働いていそうか(機能しなくなるか)ということについて、意識という視点から議論を展開している。

誤解を恐れずに書くと、彼らの主張はこう。右脳や左脳に多くのサブシステム的なものがあって、特定のシステム(特に左脳)はそのサブシステムのinterpreter、つまり、サブシステムの情報を統合する存在だ、ということを言っている。

21. Visual Consciousness: An Updated Neurological Tour
Lionel Naccache
一次視覚野の障害で起こるブラインドサイト、視覚的形状失認(visual form agnosia)、視覚性運動失調(optic ataxia)、幻覚と腹側経路との関連、背側経路と関連する無視(neglect)、さらには、配偶者を詐欺師と疑ってしまうように、人、物、場所を誤認してしまうCapgras妄想や分離脳での認知まで。視覚的な意識に異常をきたす症状に注目しながら、著者自身の理論を紹介している。

この章は、こちらの総説のアップデート版とのこと。

22. The Neurophysiology of Self-awareness Disorders in Conversion Hysteria
Patrik Vuilleumier
転換性障害という訳が見つかるConversion hysteria。この疾患は、身体や認知機能に対する気づきに障害が起こることで特徴付けられ、神経系の目だった物理的な障害が認められない、neurologyとpsychiatryの境界に位置づけられる疾患。 心的なトラウマやストレスから引き起こされることもあるらしいが、その詳しいメカニズムは不明らしい。

この章では、その疾患に関わる現時点での仮説を紹介し、脳機能イメージングによってわかってきた知見をまとめているようだ。

23. Leaving Body and Life Behind: Out-of-Body and Near-Death Experience
Olaf Blanke and Sebastian Dieguez
幽体離脱(out-of-body experiences、OBEs)と臨死体験(near-death experiences、NDEs)の現時点での理解がまとめられている。

それらの定義と現象論から、研究でわかってきたメカニズムの候補や現象そのものの多様性まで、200近くに及ぶ文献を参考にしながらまとめ、今後の方向性を議論している。

24. The Hippocampus, Memory, and Consciousness
Brandley R. Postle
HMさんに代表される海馬周辺の内側側頭葉障害・切除による健忘症(medial temporal-lobe (MTL) amnesia)。その健忘症や内側側頭葉と意識的気づきとの関係について議論されている。

25. Syndromes of Transient Amnesia
Chris Butler and Adam Zeman
前章に対して、この章では、transient global amnesia、transient epileptic amnesia、psychogenic amnesiaという一過的な健忘症について、最近の知見がまとめられた後、意識との関係が議論されている。

26. Consciousness and Aphasia
Paolo Nichelli
言語障害の失語症を中心に、心理的なプロセスとの関係が議論されている。キーワードは、anarthria、dynamic aphasia、agrammatism

27. Blindness and Consciousness: New Light from the Dark
Pietro Pietrini, Maurice Ptito and Ron Kupers
この章では、盲目の人から意識や脳の働きという点で学ぶべきことを、動物の研究にも触れながらまとめられている。

28. The Neurology of Consciousness: An Overview
Giulio Tononi and Steven Laureys
この章は一通り読んだので、少し長めに。

この章は、教科書の包括的な内容+アルファとなっている。300近い引用文献をもとにした、重要な情報が詰め込まれていてmust readな章。

この章は、5つのパートから構成されている。
意識と他の脳機能との違い、意識レベルの話、意識の解剖学に、意識の神経生理学、そして、Tononi自身のintegrated information theory of consciousnessを意識理論として解説している。

例えば、意識と他の脳機能との議論は、意識の定義を考えていく上で非常に重要な思考プロセスだと個人的に思ったし、意識の解剖学の部分では、どこを対象にすればどういう問題にアプローチできそうか、なかなかクリアカットにまとめられている。(もちろん、問題山積なテーマもある、という意味では全くクリアではないのだけども。。。)

ただし、TononiとLaureysが分担して書いたと思われるけども、Tononiが書いたと思われる部分に若干のバイアスを感じた。例えば、最後の理論の部分は、他の理論との比較がなく、アンフェアな内容で'overview'とは言えない気がした。

「理論」に関しては、scholarpediaのSethのエントリーがフェアな気がする。


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後記

お疲れ様でした。
(このエントリーを全部読まれた方がいらっしゃったら、お礼として、もれなくSfNでビールおごります。ウソです。。。)

この本には、一般?の神経科学の分野でもホットな話題がふんだんに取り入れられていて、非常に読み応えのある良い教科書の雰囲気である。

一人の著者が多くのトピックについて語るのではなく、各章はその道のプロが書いているから、全体としてバランスがとれている。ただ、章によって、「温度差」が若干ありそうな雰囲気を感じた。バランスはトータルでは取れていそうだけども、各章間の分散が大きい感じである。少なくとも形式・スタイルがまちまち。

このあたりの改善は、第二版以降に期待したい。

以下が私のmust-read portfolio。
レベル1: 1,2,8,19,28
レベル2: 4,5,6,10,16,20,21
レベル3: 7,11,13,14,17,23,25,27
レベル4: 3,9,12,15,18,22,24,26

レベル1がmust-read度が最高。以下に続いている番号は章番号。レベル4は、かなりの確率で読まないであろう章たち。。。

もちろん、これは人に依存する。人によっては、幽体離脱と臨死体験を扱った23章というスーパーセクシーな章がレベル1になるだろうし、睡眠に興味がない人はまたガラッとかわったリストになると思われる。

ちなみに、僕がなぜこの本を買ったかというと、もちろん、「脳状態」がらみ。

多くの神経科学者が脳状態として議論しているのは、この教科書でlevel of consciousnessと言っているのとおそらく等価なはず。例えば、brain-state-dependent xxxと論文で書くのは無難で良いけど、conscious level-dependent xxxと書くととたんに反発しだす人が出てきそう。同じことを議論していそうだからどっちでも良いにもかかわらず。。。個人的には、そういう人の反発を買いそうな言葉を避けつつ、consciousnessのことに真っ向からチャレンジしている研究者コミュニティーにどうアピーリングな研究をするか、という戦略を練りたいと思っていて、その助けになるだろうという期待でこの教科書を買った。とにかく、僕自身の中で、「脳状態」と「意識レベル」の研究文脈とをできるだけ近づけたいという希望がある。

この本をざっと見て抱いた不満と期待。神経細胞、神経ネットワークのレベルが本質的な問題なのに、そのことがほとんど扱われていないということ。神経回路という点では、この教科書、Singerの章こそあれど、片手落ち、あるいは重大な穴が存在している感じが強くした。この教科書は「意識の神経学」としては良いのかもしれないけど、「意識の神経科学(The Neuroscience of Consciousness)」としては、個人的には非常にフラストレーションがたまるし、だから良いとも言える。未開なテーマがたくさん眠っているのではないか、という期待が膨らむから。

そんなやすっぽい考えをうだうだ書くより、とにかく、次のエントリーに向けて読み進めます。。。
改めて、お疲れ様でした。



2 comments:

Anonymous said...

Shuzoさん
こちらへの書き込みは初めてです。この本、Laureysに加えてTononiも編集者に名が連なっていたので、information integration theoryばりの硬派な理論をちょっと期待していたのですが、届いてみるとマニアックな情報が多くて、臨床をやっている僕にとっても辛いものでした。確かに、DamasioもSingerも片手落ちというか、5年前と変わってないじゃん!という内容でした。とりあえず、1、3、4、5、6、7、8、28と読みました。最後は、一気に飛んじゃいました(笑)。

Shuzo said...

badcatさん、書き込みありがとうございました。
Spornsのグラフ理論がらみの話もあったりすると良かったですね。

ただ、neurologyというタイトルをつけているだけにこういう構成はありなのかなという気もしました。私としては、臨床のお話は全く馴染がないので、この教科書はなかなか貴重だったりもします。

例えば、SchiffはヒトのDBSと平行して、ラットを使ってわりとしっかりした予備研究的なこともやってましたから、げっ歯類で研究している私としては、臨床サイドの研究者の考え方を学べるのではないかと思っているしだいです。

それにしてもneurologyだけでもそれなりのボリュームになるということは、The Neuroscience of Consciousnessという教科書を出すなら、相当のボリュームになるかもしれませんね。