11/22/2008

学会を終えて 2008

Society for Neuroscienceのミーティング終了。
しかし、人多すぎ。。。

ポスター会場やメインの入り口付近の混雑ぶりを、エスカレーターを降りながら遠目に見ていると、いろいろ考えさせられた。。。

今回は(も?)3万人以上が参加していたらしい。
神経科学者もバブル。。。(しかも膨らみ続けている)

さて、今回は学会の感想などをつらつらと。

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全体の印象

昨年のエントリーを読み返すと、Brainbowの話が出た直後だったりと、connectomicsが一つのキーワードな感じがあったけども、今年はこれっ!という一大トピックはなかったような。。。(といっても、規模がでかいから、あくまで僕の見聞きした限られた範囲では、、、ということにはなる)

optogeneticsconnectomicsneuroeconomicsbrain-machine interface、、、

もちろん面白い演題はいくつもあったけど、ブレークスルーというよりは、新しい分野がその裾野を徐々に広げているという感じか。

ちなみに、僕は睡眠がらみのシンポジウム、ミニシンポジウムに足が向いた。

学会直前のJournal of Neuroscienceにいくつかミニシンポジウムの総説的な論文がある。参加した睡眠のミニシンポジウムはなかなか面白かった。日本からはオレキシンの研究で世界的に有名な金沢大の櫻井武先生がシンポジストでもあった。

このシンポジウムで何人かのスピーカーが問題にしていた「睡眠のホメオスタシスの仕組み」、確かに不思議な問題である。

実生活とも直結する。

例えば、今回の学会はワシントンDCだったから、僕が住んでいるNJ州とは時差はなし。だからサーカディアンリズムはほとんど影響を受けない。

けれども、1週間に渡って毎晩呑んだくれたり(後述)、最終日のパーティーを終えて、22時の電車でDCからNJに帰って、翌朝3時半に自宅に帰り着いたりすると、そのホメオスタシスが働いていることを、学会後2日間くらい痛感することになる。

つまり、睡眠不足だったり疲れが出て、生産性が著しく低下する。。。
このテーマの研究の経済効果は大きいはずである。

その仕組みについて、分子の話、脳波の話は個別にはあるようだけども、そのリンクがどれくらいわかっているのだろうか?とにかく面白い問題。

Scholarpediaを少し見てもあまり包括的という感じではないから、よくわかっていないのだろう。

このシンポジウムで、今の僕の研究とリンクがありそうなのはオーガナイザーのKilduffさんの話くらいといえばそうだけども、いろいろインスパイアされた。

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学会のメリットとデメリット

話は変わって、冒頭「人が多い」と書いたので、そのメリットとデメリットを。

<メリット>
・知らないことを聞ける適切な人が大抵どこかにいる。
・ビッグネームのトークを聴けるチャンスに恵まれる。
・多くの人と出会う、再開するチャンスがある。(=呑み会のチャンスに恵まれる)

<デメリット>
・同時多発的に重要なイベントが起こっていて、一人で情報収集するには限界がある。(超並列処理的な学会?)
・なかなか知り合いとめぐり合えない。
・面白いポスターの前には「群」ができ、話を聞く気力がうせる。話を聞けたとしても、他の人の質問によって説明が中断され先に進めずフラストレーションがたまる。(聴衆が多様なだけに、それは不可避でもある)

では、そのデメリットを改善するにはどうしたら良いか?

少なくとも、オンラインにある要旨集と、オーラルとポスターの決定方法を変えて欲しい。

まずオンライン要旨集。これホントに使えない。。。

次のような機能があると良いのになぁ、と思う。
1.ページランク的な検索結果のソート機能を追加する。
2.ソーシャルブックマーク的な要素も取入れ、群ができそうな演題を知りやすくしたり、ラボメンバーや知り合いと興味のある演題をシェアできるようにする。
3.アマゾンのように、この本を買った人はこの本も買ってます的に、「この演題をチェックした人はこの演題もチェックしてます」という、関連演題へのリンクが自動生成されるようにする。

とWeb2.0的な要素なども取り入れて、重要な演題を探しやすい、シェアしやすいようにして欲しい。参加費として$230も払っているわけだけど、もう少し良いお金の使い方があるような気もする。(お願いだから何とかして欲しい)

それから、オーラルとポスターの配置。
例えば1ヶ月前までのアクセス数、あるいはブックマーク数をもとにオーラルかポスターの意思決定を。そして、ポスターでもいくつか階層性を作って、人の多そうなポスターのスペースは2倍割り振るなどする。

そして、クラスA、クラスBのポスターのエリアといった具合に、空間的に差別化してもらえると、非常に情報収集の効率は上がる気がする。

特に、大きい学会は分野外のことを知る良い機会でもあるから、あらかじめそういう差別化をしてもらうと、素人も聞くべき演題の選択がしやすくなる。

ただし問題は、要旨登録は半年前で、その後、内容が大きく変わったりすることがよくあることか。良い演題かもと思ったら、実は大したことなかったりもする。。。

さらに、要旨集を1ヶ月前からチェックする人はほとんどいないか。。。結果的に、Web2.0的機能があまり役に立たないかもしれない。とすると、お金の無駄になるというリスクも。。。

なかなか問題山積。

導入1年目は目を瞑って、2年目以降は、過去の情報を持ち越す、とかそういうことをすると、少しずつ良くなっていくかもしれない。

それから、有名ラボのポスターには大抵「群」ができるから、そういうエゲツナイ差別化も、実は現実的な選択肢のような気もする。(例えば今回、ブザキ研は一テーマを独占していたので、明示的でないにしろ、そういう差別化は聞くほうとしてもありがたい。)

それから、学会会場のデザインなども工夫次第で参加者の効率性が上がる気がする。これについては、別エントリーとして立てみるかも?です。

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発表

ということで僕の発表について。
今回、APANのポスターは相変わらずお寒くて、2,3回しか発表するチャンスに恵まれなかった。。。

SfNの方は、さすがに朝一はほとんど人が来なかったけども、9時前くらいから継続的に人に来てもらえて、良いフィードバックをもらえた。

今回は日本人にたくさん来ていただいて、「ブログ見てます」と何度も言ってもらいました。わざわざ足を運んでいただきありがとうございました。

と発表はまずまず。

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ナイト・サイエンス

今回、毎晩食事やパーティーに恵まれ、日本人、外人、いろんな人たちと交流をもてて、超充実の学会。外人さんとしてはパーティーでNYUのReyesさんと知り合えた。彼はRIKENにも少しいたそうな。知らなんだ。

日本人のパーティーの場では、このブログをネタに話しかけられたりと、意外とブログは役に立つかも?、と思ったしだい。。。

お話をしていただいた方ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。

と、なかなかインテンスな学会だった。(今回は、敬語の使い分けがやけに難しかった。。。)

2 comments:

大西 said...

SfNお疲れ様でした。
オフ会では全くお話しできませんでしたが、近くなったのでまた機会があれば幸いです。

オンライン要旨集は本当使いにくいですよね。しかも、学会1ヶ月前に仕様が変わったのご存じですか?
私は検索ワードもメモに取り込みたいためいちいち検索ワードごとにexcelに取り込みましたよ。その際、一つ一つボタンを押さないといけなかったので本当面倒くさかったです。
仕様が変わる前は一括取り込みボタンがあったのですがそれがなくなり本当に困りました。
excelに入れた後はさらにWordに移してtagを付けてendnote X2に取り込みメモを書き加えました。
endnote X2って、pdfを自動で落としてくるのですよ。zoteroに乗り換えていましたが、endnoteにまた戻ってしまいました。

そうそう引っ越しの件、SNSの記事にしていますのでご確認ください。何か集まりがあるときにご連絡いただければ幸いです。

Shuzo said...

大西さん

ありがとうございます。
SNSの方にもコメントさせていただきました。
近くですので、ぜひ飲み友達になってください(笑)