11/17/2007

ピアレビュー制度の変革とコンフィデンシャルコメントの賛否

今回のエントリーは完全プロ向け、しかも神経科学者対象。けど脳そのものとは関係なし。

Nature Neuroscienceのエディターがやっているブログのエントリー。(ぜひお読みください)

このエントリーの前半部分では、来年から一部の神経科学関連ジャーナルの査読システムを試験的に変化させることの説明がまずある。

これまでの制度では、次のことが普通だった。

例えば、JNSに投稿したら2ヵ月後くらいにレフリーに散々たたかれてリジェクト。その後、そのレフリーのコメントを参考に論文を手直し。ジャーナルのランクを下げて、例えば、JNPあたりへ投稿。査読結果をまた2ヶ月くらい待つ。。。またリジェクトだったら、また手直しして別のジャーナルへ投稿して、さらに2ヶ月休む。。。という無駄とも思える時間を過ごす。

けど、来年から試験導入されるであろう制度では、1つ目のジャーナルで(良い)レフリーだった人に、別のジャーナル上で明示的に再チャレンジできるようになるらしい。つまり、ジャーナルのランクを落として、リバイス的投稿ができるようになる。「あんたのコメントには応えたし、ジャーナルのランクも落としたし、はよ通して!」という要求ができることになる。これは良い話だと思う。

が、問題はその裏の話で、コンフィデンシャルコメントもジャーナル間で共有することになるそうで、それをどう思うか?コンフィデンシャルコメントそのものをどう思うか?神経科学者全体へ問いかけている。

コンフィデンシャルコメントというのは、論文の著者はアクセスできない、エディターとレフリー間でやり取りされる丸秘情報のこと。その丸秘情報がジャーナル間で共有されても良いか?倫理的な問題も含めてどうか?という問いかけ。

例えば、著者が見れるレフリーコメントにはほめ言葉が書いてあって、「このレフリーは自分の論文に好意的」と思っても、実はコンフィデンシャルコメントではボロクソに叩かれているというリスクもある。

この場合、悲劇は繰り返される。。。
例えジャーナルのランクを下げて、そのレフリーに再チャレンジしてもアクセプトされる可能性は低い。。。
そういうリスクもあるということ。

このエントリーに対して、多くの神経科学者がコメントを寄せている。自分が知ってる超有名人もコメントしている。その中でKochのコメントは簡潔で納得。

この問題、全神経科学者にとって重要な話題だと思われるので、ぜひ原文をどうぞ。

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