8/31/2008

夏休み:モーツァルト、ヤンキース、北川潔

この一週間、夏休みでも取る予定だった。
けど、ボスのプレッシャー、、、
いや、現実が許してくれず、チケットを押さえていた遊びを実行しつつ、普段以上に実験に取り組む、というなんとも中途半端な一週間。。。

予定通り実行した遊びを三つ。

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8/23 Mostly Mozart Festival

前から気になっていた夏のイベント。最終日に行く。

モーツァルトにちなんだ演奏プラスアルファ(+αがあるからMostly?)がLincoln Centerで、夏の間開催されている。

その日は、Mostly Mozart Festival Orchestraが
Richard StraussのMetamorphsen
MozartのMass in C minor, K.427
という2曲を演奏。

ミサ曲を初めて聴いた。席は後ろから2列目だったけど、Avery Fisher Hallは思ったほど広くなく悪い席ではなかった。メゾソプラノのKate Lindseyという人の歌がすばらしく良かった。素人にもそれはわかった。それ以上のウンチクは語れない。が、良かった。

オーケストラには日本人の演奏者もいた。演奏後は大大カーテンコール。それにしても、Metamorphosenは納得の暗さだった。。。

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8/27 Yankees vs Red Sox

おそらくヤンキースの今シーズンは終戦、と言っても良さそうな試合。。。戦力的にベストとはいえない今のレッドソックスに11-3で負けたら、残り試合推して知るべし。。。試合内容が非常に悪かった。

松井のTシャツを着ている人や声援がより増えていたのはうれしかった。

自分にとっては、現ヤンキースタジアムは見納めだろうから、記念にTシャツを購入。(気づいたけど、ウェブで買ったほうが安い。。。品揃えも良いし。。。一つ学習。)

ちなみに席はいつものごとく最上階。
今回は、バックネット裏(と言って良いのか、とにかく真後ろの席)が取れたので、眺めは良かった(こんな感じ)。値段は普段と同じだけど、良い席はお金を出してでも取った方が良いのだなぁと感じた。一回くらいは奮発しても良いかも?

ちなみに、bleacher(外野席)あたりの席を取ったなら、練習時間にあわせて早めに行くと(もちろんグラブ持参で!)、ボールをゲットできる確率が格段に上がるとわかった。練習中はホームランが連発するし、選手もたくさんボールを投げ入れていた。

子連れならさらにチャンスが上がるか?娘にグラブを持たせて行くか??

それにしてもヤンキース、ピッチャーを立て直して、ぜひ来年は新球場で頑張りを見せて欲しいところ。
個人的興味は、木曜日からのNFLへシフト。。。(Eli今年も良さげ。)

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8/30 Kenny Barron Quartet

ファーストセット、9時からのステージへ行く。
店オープンの8時に到着。

席は最前(善)列!

同じく一人で来ていたビルさんと相席に。
ぎこちない英語を駆使して、開演まで少し会話。
彼はカルテクのコンピューターサイエンスの大学院生。
夏の間、NECにお金をもらって短期国内留学でプリンストンに来ているらしい。
彼の理論がわからなかったのは、きっと英語ではなく、自分の無知が理由であることを悟る。

スタート前にトイレに行く。
すると、がっちりした体型の人が入ってきた。
顔を見てみたら、Kiyoshi Kitagawa氏ではないか!

ブログ見てます。

と話しかけてみた。

あっ、ありがとうございます。何か楽器でもやってるんですか?

とKitagawaさん。

いやいや。
昨年ここでやられたのをみて、それがすばらしく良かったんで、また来たんですよ。

と、今思うとかみ合ってないけど、とにかく、そんな感じで少しだけ小話。
感激。。。

9時からスタート。
そのKitagawaさんの長時間のベースソロは1曲目だけだったけど、1曲目からイッてらっしゃった。。。

今回はDayna Stephensというテナーサックスプレーヤーも参加。狭いVillage Vanguardのステージ、Daynaさんは自分の出番でない時は、柱の影に隠れたり、片隅でマックノートを広げたりしていた。。。

最後の曲に選んでくれたCalypsoでのFrancisco Melaさんのドラムソロ、メロディアスなモチーフを叩き、時に激しく叫んでいた。

Kenny Barronさんのピアノ。体全体で魅せる激しいプレーではなく、じっくり聴かせてくれるとでも言ったら良いのか、何となく彼の人柄が伝わるようなプレー。Kitagawaさんとの小話中に聞いて初めて知ったけど、昔Rutgersで教鞭をとっていたそうだ。確かにwikipediaにもある。

知らんかった。。。意外な接点。

ちなみに、席は彼のピアノのすぐ近くだったから、楽譜がしっかり見えた。The Travelerという曲の時だけ、メガネをかけて楽譜を見ながら演奏していた。

楽譜はわずか1.5ページのラフな手書き(たぶん鉛筆)。音符もある程度見えたけど、きっとモチーフだけを書いていたのだろう。そのモチーフを無限なバリエーションとして奏でるジャズの真髄が少し伝わって、いたく感激。

帰る前、トイレに寄って(またか)、出てきたらKitagawaさんとご対面(また!)。
最前列に座っていたし、自分を覚えていらっしゃった。

すばらしかったです。

と一言伝え、一礼して帰宅。

おかげでこの1週間の疲れが吹っ飛んだ。
帰りのバスで爆睡し危うく乗り過ごしそうだったけど。。。

ちなみに、Kitagawaさんのエントリーにもあるように、今回のVillage Vanguardライブの特集エントリーがWBGO Blogにあって、初日の演奏を全部聴けたりもする。なんと便利な世の中。

けど、ジャズはやはり目でも聴かんといかん。
視聴覚統合が非線形性を示す好例。


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さて、オーケストラとジャズを聴いて改めて思った。
脳はやっぱりジャズ演奏だよな、誰だよオーケストラ演奏なんかに例えたのは
と。

ニューロン集団活動のあのわけのわからなさは、一人のコンダクターに操られてできる整然としたアンサンブルには似ても似つかない。可塑性によって新たなモチーフが生み出されては、それを他のプレーヤーとの駆け引きで無限のバリエーションとして毎回違うように表現する。プレーヤーは一癖も二癖もある多様な連中たち。たまに暴走しそうなプレーヤーに、他のプレーヤーが時に追従し、時には抑える。その意味で、どのプレーヤもコンダクターになれる。そんな相互作用から生じる秩序、そして幾重にも重なるリズム。常に違うオーディエンスに適応するように、プレーそのものを変えたり、逆にそのオーディエンスに働きかけたりもする。

ジャズライブを観るたびに、そんなswingしている脳の見方を強くする。だからThe Swingy Brain。脳活動にソロ演奏はないけど。。。とにかく、The Swingy Brain。

いや~、ジャズってホントに良いですね~(と故・水野晴郎バリのコメントで、無駄に長いエントリーをしめてみる)

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