3/08/2008

効率的な学び方

最近サイエンスに掲載された論文によると、同じことを反復して学ぶより、思い出す方を重視した方が良いらしい。

研究では、外国語単語の勉強(覚える)と試験(思い出し)をするとき、各単語について、
1.繰り返し勉強・繰り返し試験
2.繰り返し勉強のみ
3.繰り返し試験のみ
4.一回きり勉強と試験
という条件で成績を比較している。
すると、1が良いのは良いとして、2,4より3の条件が良かったらしい。さらに、1と3の結果は同じだった。つまり、一旦覚えたら、再勉強はあまり効果はないと解釈できる(一方、2と4の結果は同じくらいひどかった)。

さらに、1の場合、勉強と試験の両方をやるから、3の方が時間を節約できる。なぜなら再勉強時間はいらないから。ということで、一回勉強したことは、思い出すことにウェイトをおいた方が効率的、ということになる。

もちろん、現実社会では、なかなか「勉強」と「試験」を明確に区別できないかもしれない。けど、次の例はどうだろう?

例えば、資格試験の勉強をする時。
一通り教科書を読んだら、教科書を繰り返し読むより、練習問題を解き漁った方が良い、と考えられる。(それで本番の試験に落ちたら、、、この論文の著者たちにクレームしてください。。。)

例えば、統計の勉強。
教科書で一旦統計の基礎知識を身につけたら、実際にその知識を使う問題に取り組んだ方が良いかもしれない。これは経験的に真のような気がする。

では、スポーツはどうだろう?
練習だけたくさんするより、ゲームで実践感覚も身に付けたほうが良い。とよく言われることと近いかもしれない?

とにかく、一旦理論を身に付けたら、理論を繰り返し学ぶより実践重視にシフトした方が、結果的には、身に付けた理論の定着には良いのかもしれない。

リアルワールドや脳は、そう単純ではないにしても、信じるものは救われる。。。

今回紹介した論文
Science. 2008 Feb 15;319(5865):966-8.
The critical importance of retrieval for learning.
Karpicke JD, Roediger HL 3rd.

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